碧電9周年記念 な仲間たち

 5周年記念企画以来、多忙のせいもあって記念企画シリーズを見送ってきました。多忙は相変わらずですが、国鉄、JRにおける車両の形式では「9」は特別な意味を持ち、希少価値の高い車両も少なくありません。ここを逃すとまとめて紹介する機会も当分得られないと思い、久しぶりに記念企画を立ち上げることとしました。

●対象車両

「9」は10進法で最後の数字。車両の形式番号は通常1から順に付けられますが、最後の数字である「9」には「特別な」という意味が含まれています。具体的には90番台、900番台形式や、○○系900番台など。また、○○9系のように末尾の「9」はある関連付けが行われています。これらの車両たちの特徴は、多くの場合において少数派であることです。一方、私鉄では900、9000番台を名乗っていても、特別な意味はない場合もあります。本特集では「9」に特別な意味を持たせたものを中心に、少数派で、一見特別形式でありそうながら、実は「9」には特別な意味を持たないものなどを扱います。ただし、あまり特別な車種に偏ったり、幅を広げすぎて散漫になってしまわないように考えていきたいと思います。


●掲載済み車両

第1回:キヤ191系(09.11.08)
第1回:キヤ191系

特急電車のような高運転台型内燃試験車

第2回:201系900番台(09.11.15)
第2回:201系

遅ればせながらデビューした国鉄初の省エネ電車

第3回:キハ35900番台(09.11.22)
第3回:キハ35形900番台

一般車に混じって活躍したステンレス気動車

第4回:169系(09.11.29)
第4回:169系

横軽協調運転用急行型

第5回:207系900番台(09.12.6)
第5回:207系900番台

国鉄末期に登場した初のVVVFインバーター制御電車

第6回:EF66901(09.12.13)
第6回:EF66901

ハイパワー高速貨物列車牽引機

第7回:名鉄3790系(09.12.20)
第7回:名鉄3790系

中小私鉄からやってきた築港線専用車

第8回:クハニ67形900番台(09.12.27)
第8回:クハニ67形900番台

試作車でもないのに900番台を名乗った改造客荷合造車

第9回:キハ90系キハ91(10.1.2)
第9回:キハ90系

大馬力エンジン搭載の試作車

第10回:クハ79904(10.1.10)
第10回:クハ79904

なぜか73系の製造最終年に登場した試作全金属車体化改造車

第11回:ED9111(10.1.17)
第11回:ED9111

国産交流電気機関車の試作機

第12回:713系900番台(10.1.24)
第12回:713系900番台

交流区間の輸送合理化を目指した回生ブレーキ装備の試作車

第13回:DE111901(10.1.31)
第13回:DE111901

重入換用防音ディーゼル機関車の試作車

第14回:クモヤ191系(10.2.7)
第14回:クモヤ191系

151系「こだま型」の生き残り

第15回:クハ79920番台、モハ72970番台(10.2.14)
第15回:クハ79920番台、モハ72970番台

900番台の量産車 後ろがない区分番台もパンクは回避

第16回:101系900番台(10.2.21)
第16回:101系900番台

新性能電車の礎

第17回:スロフ12915、916(10.2.28)
第17回:展望お座敷客車スロフ12915、916

展望室付お座敷客車として800番台の続番に+100で区分

第18回:ED78901、ED77901(10.3.7)
第18回:ED78901、ED77901

サイリスタ位相制御の試作交流電気機関車

第19回:クモヤ495系(10.3.14)
第19回:クモヤ495系

類似例のないユニークなスタイルの交直流検測車

第20回:DMV921(10.3.21)
第20回:DMV921

試作車の伝統を守り?900番台のナンバープレートが嬉しい試作陸軌両用車

第21回:クモヤ90(10.3.28)
第21回:クモヤ90

1959年の車両形式称号規定改正によって空いた形式を利用か?

第22回:クモヤ193系(10.4.4)
第22回:クモヤ193系

首都圏各線を駆け巡ったATC区間対応の検測車”一休さん”

第23回:キハ391系(10.4.11)
第23回:キハ391系

ガスタービンエンジン搭載の試作車
お詫び:移転時のアップ漏れで閲覧不能になっていました。

第24回:ホキ1000-901(10.4.18)
第24回:ホキ1000-901

意外と身近なところにいた900番台

第25回:EF500、EF200(10.4.25)
第25回:EF500、EF200

JR貨物で新たに開発されたインバーター機関車

第26回:EF659(10.5.2)
第26回:EF659

特別塗装で復活を遂げたEF65の9号機

第27回:901系(10.5.9)
第27回:901系

「半分」がコンセプトの新型通勤電車

第28回:阪神8901F(10.5.16)
第28回:阪神8901F

阪神でただ1本の存在。8000系の試作車?

第29回:クハ415-1901(10.5.23)
第29回:クハ415-1901

”座って通勤”を目指した二階建ての普通車

第30回:ED500-901(10.5.30)
第30回:ED500-901

”機関車”になれなかったメタリックブラックボディーの試作機

第31回:キヤ97系(10.6.7)
第31回:キヤ97系200番台

牽引車代用としても使用されるロングレール輸送気動車

第32回:DF200-901(10.6.13)
第32回:DF200-901

わが国ではDF50以来35年ぶりの電気式ディーゼル機関車

第33回:クモヤE491系(10.6.20)
第33回:クモヤE491系

軌道検測と電気検測を統合。交直両用になって守備範囲はさらに広く

第34回:25系900番台「夢空間」(10.6.27)
第34回:25系900番台「夢空間」

オリエント急行の影響を受けた豪華寝台車

第35回:923形総合試験車「ドクターイエロー」(10.7.4)
第35回:923形「ドクターイエロー」

新幹線はこの1形式でギブアップm(__)m総合試験車「ドクターイエロー」

第36回:EF210-901(10.7.11)
第36回:EF210-901

直流平坦幹線を制覇する勢いの「桃太郎」

第37回:EF59(10.7.18)
第37回:EF59

EF50番台最終番号に納まった瀬野−八本松間の後押し専用機

第38回:キヤ95、キヤ97(10.7.25)
第38回:キヤ95、キヤ97

在来線総合試験車の老舗とお顔そっくりのレール輸送車

第39回:近鉄モト90(10.8.1)
第39回:近鉄モト90形

国鉄では配給車に相当する電動貨車

第40回:EH200-901(10.8.8)
第40回:EH200-901

国鉄では配給車に相当する電動貨車

第41回:E993系ACトレイン(10.8.15)
第41回:E993系ACトレイン

次世代通勤用電車の試験車

第42回(補遺-1):DD200-901(18.1.7)
第42回(補遺-1):DD200-901

DE10、11後継の本線向け電気式DL


■再び個性派をテーマに

 久しぶりとなる周年企画でしたが、当初の予定を超える41回となりました。5周年企画では旧形国電でも個性豊かなものを選びましたが、そういう意味では9周年企画もテーマは共通しています。9な仲間の主体を成す試験車、試作車などはどれも個性派ぞろい。大量生産されていくらでも来る電車を軽視しているわけではありませんが、「1両、1本しかない」ものや、なかなか走行シーンを見るチャンスがない車両たちの撮影はこれまでの私の活動の柱となってきたことは確かです。
 1週間に1度の更新で、限られた時間では十分なことはできませんでしたが、説明文を書くための調査中に新たな発見、気づきを得たことは大きな収穫でした。
 例えば、キハ91はキハ181系と制御方式が共通で、併結も可能であったこと。キハ181系の故障による車両不足で実際に唯一の冷房車キハ918が特急「しなの」に使用された実績があることは驚きでした。また、900番台は一部の例外を除いて試作車を意味するものと思っていたものが、1959年の称号規定改訂あたりを境に、それ以前のものは必ずしも試作車を意味するものではないことがわかりました。クモヤ90、91よりもクモヤ92、93のほうが先に登場していたことは、101系、153系の暫定形式であった90系、91系の存在が影響していたと考えられることは、調べている過程で初めて気付きました。
 試験車や試作車は未知の世界を探る故の驚き、話題性が豊かです。しかし、近年では在来車の車体構造をそのまま利用したり、ステンレス一辺倒で、夢を掻き立てられるようなものが少ないと感じているのは私だけでしょうか。
 このテキストを書いている段階で、あと2カ月強で碧電は10周年を迎えます。9周年企画はそれに届きそうになるほどのボリュームとなってしまいました。その間、本特集と「構内放送」以外の更新がほぼできなかったことが反省点です。

●アクセス分析

 5周年企画でもアクセス分析を行いましたが、今回も傾向を書いておきたいと思います。
 私自身は個性派車両には大きな魅力を感じますが、地味なものも多く、万人受けするものではありません。過去の周年企画との比較において、週間のアクセスが伸び悩んだのはそれを物語っているようです。
 その中でも、「これを出すためにこの企画を実行した」と書いたキハ91(9)はアクセス数のトップを走っています。その他、クモヤ191系(14)や、キハ391系(23)など、私自身が貴重だと感じるものはアクセスも伸びています。比較的新しいものではED500-901(30)が善戦していますが、これは同型が機関車としてデビューすることはなく、人目に触れる機会が少なかったことから、同機を知らない皆さんの興味を誘ったことが考えられます。
 一方、国鉄時代のものを除き、東日本の車両は人気が低い傾向にあります。ファンの数は首都圏周辺の方が桁違いに多いことを考えれば、碧電の閲覧者が近県を中心とした方でその多くを占めているためであろうと思われます。
 また、民鉄の車両では、名鉄3790系(7)は第2位のアクセスですが、阪神、近鉄は伸び悩んでいます。阪神8901F(28)が週間アクセス最下位となることは予想していましたが、現在は他に引けを取りません。これは、一時期「阪神 8901F」で検索すると当該ページがトップでヒットしていたことがあり、いつの間にかアクセスが伸びていました。

 今になってこの形式を入れるべきだったと思うものがありますが、10周年も近づくこの時期に、泥縄式に撮って来て掲載するだけの余裕はありません。現役ながら未撮影で掲載できなかったものも含め、内容を充実させることができる日が来ることを望んでいます。

碧電蔵町駅本屋へ戻る。

萬橋前駅本屋へ戻る。

副玄関(碧電田園茶屋駅)へ戻る。

碧海電子鉄道 ©2009-22 鈴木雄司 (トップページへ)

inserted by FC2 system