碧電9周年記念 な仲間たち

第25回 EF500-901、EF200-901  10.4.25UP

JR貨物で新たに開発されたインバーター機関車

●JR貨物で新たに開発されたインバーター機関車

国鉄が分割民営化された当時はいわゆるバブル景気の初期の頃。それだけの理由ではないと思いますが、貨物の需要に輸送力が追い付かないほど好調でした。既にインバーター制御方式による新型機関車は開発が始まっていましたが、急な製造は無理であるため、清算事業団に渡った機関車を買い戻したり、EF66のマイナーチェンジ車であるEF66100番台などを新製して旺盛な需要に応えました。
 そして、1990年、待望の試作機が完成しました。初めて3桁の形式番号が与えられ、直流専用機がEF200、交直流機がEF500を名乗りました。両形式とも出力は6000KW。マンモス機関車と呼ばれたEF66との単純な出力の比較において1.5倍のハイパワーとなりました。パンタグラフがシングルアーム式となり、その後登場した全国の電気車両に影響を与えています。
 長距離を走る貨物列車は区間によっては増発する余裕がなく、高出力化は1列車の輸送単位を向上させ、輸送力増強を図ることを目論んでいました。しかし、退避線長さの延長や変電設備の増強など、線路を保有する旅客会社の協力がなくてはハイパワー機関車が本領を発揮することはできません。協力どころか、重量の重い貨物列車の走行に対して線路の保守料を値上げしたいのが旅客会社の本音であり、両機が登場して20年となる今もって(注:記事を記した2010年において)EF200は出力をEF66並みに絞って走らせているのが実情です。
 EF500については想定した走行線区である青函〜東北、日本海縦貫線に対して大き過ぎたことや、誘導障害によって通信施設などに悪影響がもたらされ、1両のみの試作に終わりました。
 EF66も当初は持てるパワーを持て余す運用が多かったのですが、今では長大な列車を牽いて高速で走るEF66にふさわしい活躍を続けています。EF200にも同形式でなくては牽くことができない長大列車の運用を与えたいものです。(→2019年、皮肉にも置き換え対象であったと思われるEF6627号機が健在の中、全機引退)

新鶴見機関区一般公開で展示されたEF500-901とEF200-901 1991.8.25


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