碧電9周年記念 な仲間たち

第40回 EH200-901  10.8.8UP

EF64の重連を単機に置き換えるEH形

●EF64の重連を単機に置き換えるEH形

第36回で扱ったEF210形以降、JR貨物の新型機関車は軸数減少や大出力化をやめ、在来機並みかやや出力の大きいものへと移行していきます。今回扱うEH200はEF64の、先に登場したEH500はED75やED79の置き換えを目的として開発されたものですが、在来各形式が重連を主体として運用されているものを単機に置き換えたことが共通しています。EH10の消滅によって二度と登場することはないであろうと思われた2車体連結のEH形の復活には驚かされました。
 EF64は6軸ですが、重連では出力が余ってしまいます。そこで、4軸2車体永久連結の8軸、EH形としたわけです。1両作ればEF64を2両減らすことができるため、機関車数の減少を図ることが可能となりました。EF64の製造当初は旅客、貨物の両方を担当し、常時重連は考えていなかったわけですが、分割民営化によって貨物会社所属機は例外を除いて貨物だけの運用となりました。中央線、篠ノ井線では多くの運用が重連であるため、H形単機とするメリットがあったのでしょう。
 機関車数を減らすことには維持費の軽減とともにもう1つメリットがあったとされます。それは、線路使用料です。貨物列車は旅客会社の線路を借りて走りますが、線路使用料が機関車に対しては1両に対して値段が決まっていたため、重連を単機にすれば1両分で済むことになります。ただし、EH形を1両と見なすかについて、一部の会社とはいまだに合意に達していないと言われています。元々EF64が重連で運用される路線であっても本形式が今もって入線していない路線があり、状況は符合しますが、それが理由かは定かではありません。
 新形EHでは先輩格のEH500-901はまともな写真が撮影できてないため、本特集への掲載ができません。それは遠方でかつ、同形式の運用範囲の広さの他、量産機の増加によって運用を捕捉することが難しくなったのが大きな理由です。
 EH200形についてはその反省から、量産機が登場する前に撮影する計画を立てました。試作機901号機が試験的に限定運用による営業運転を開始したと報じられたのを受け、捕まえやすい間に撮ってしまおうと考えたのです。1両しかなかったため、運用変更が心配でしたが、期待どおりに姿を見せた時は嬉しく思いました。

 さて、半年以上にわたってお楽しみいただいた9周年企画「9な仲間たち」は次回を以って最終回とします。実は今回と同じ日に同じ場所で撮影したものです。さて、何形が登場しますでしょうか・・・。

EH200-901(高)が限定運用による営業運転を開始。5488レ 2002.10.11 猿橋−鳥沢


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