港に近い貨物駅まで延びるいわゆる臨港線。貨物列車のみの運行で、人目にかかる機会の少ないところを走ることが多く、未知に魅力がある路線といえましょう。かつては全国各地で見られましたが、最近は大幅にその数を減らしています。
名古屋港にも湾を抱え込むような形で東西の臨港線が存在していました。東側の東臨港線は名古屋球場正門前駅が開設されて、営業区間はごく僅かながらも観客輸送に利用されたことが有名ですが、西臨港線(西名古屋港線)にも旅客列車が走ったことがあります。1986年10月に運転された企画列車「かたつむり号」がそれです。
私は東海道本線と名古屋駅で撮影したため、かたつむりらしい走りは見られませんでしたが、臨港線内はきっとゆっくりゆっくり走ったのでしょう。
その後、西臨港線は旅客線化されることになり、1997年、第3セクター「名古屋臨海高速鉄道」が設立され、2004年10月の開業を目指して工事が進められています。全線電化、高架複線化されるので、西臨港線の線路を電車が走るというよりは、敷地を利用して新しい鉄道を敷き直すという性格のものと言ったほうが良さそうです。
ホームがない貨物線を通過する「かたつむり号」。
DD51819(稲)+12系4連+DD51(稲) 1986.10.12 名古屋にて。
犬月鉄道さんに「かたつむり号」に乗車された方のレポートがあります。団体乗車票などの資料も貴重です。レポートはこちら。