碧電周年記念 蔵出し個性派旧形国電

第18回  クモハ40050  06.3.4UP

第18回:代用車なのに新性能車とも併結した青いクモハ40

●代用車なのに新性能車とも併結した青いクモハ40

大垣区で代用牽引車として活躍していたクモハ40050はスカイブルー塗装が人目を引きましたが、今回は違う切り口から書いてみたいと思います。

 2桁形式の旧性能車と3桁形式の新性能車の違いは駆動方式のみではなく、ブレーキ方式も異なっていました。牽引車クモヤ22(110番台)やクモヤ90はブレーキ読替装置を持っており、旧性能車とも新性能車とも併結運転が可能でした。一方、ナンバーを変えただけのクモヤ22200番台や代用牽引車であるクモハ12やクモハ40はそれを備えていないため、連結相手は旧性能車に限られることになっていました。しかし、実際には中部地方の静岡運転所、大垣、神領両電車区ではクモハ12、40などが新性能車とも併結運転を行っていました。
 旧性能車のブレーキは「自動空気ブレーキ」です。編成全体につながったブレーキ管の圧力を直接制御する方式です。それに対して、新性能車は各車に設けた電磁弁でシリンダーの圧力を調節する方式です。ただし、自動空気ブレーキとは全くの別物ではなく、電気がなくても自動ブレーキとして作用させることが可能です。したがって、ブレーキ操作を旧性能車に合わせれば、両者が併結していてもブレーキを掛けることができます。
 実際に静岡運転所の入場車は原則として両端に代用牽引車(旧性能車)が連結されていました。それらからブレーキを掛ける分には編成全体が自動空気ブレーキ、つまり旧性能車並のブレーキが作用していたことになります。
 しかし、大垣区や神領区では、クモハ40を含む編成の先頭が新性能車であることがありました。この場合、クモハ40には電磁弁がないため、通常のブレーキ操作ではブレーキがかからないことになってしまいます。
 まさかそのまま走っていたのかといえばそうではなく、新性能車からも自動ブレーキを掛けることができたようです。もし電気回路に異常が起こって電磁弁が動かなくなれば、ブレーキが効かなくなってしまうため、当然のことであったかも知れません。
 今回はその証拠写真として、クハ111が先頭に立った浜松工場入場車の写真をご覧に入れます。なお、同車については浜松道駅もお訪ね下さい。

クモハ40050(名カキ)が最後尾に付いた回8512M 1979.4.3 刈谷−東刈谷にて


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