碧電周年記念 蔵出し個性派旧形国電

第10回  クモヤ90202  06.1.7UP

第10回:茶色いクモヤ143?いえいえ、これもクモヤ90。

●茶色いクモヤ143?いえいえ、これもクモヤ90

クモヤ90はモハ72を両運転台に改造した牽引車ですが、102〜は車体がクモヤ143と同様のものに乗せ換えられました。一般型の種車がモハ63改造のモハ72であるのに対して、102〜は最初からモハ72として新製された後期形が種車となっていて、台車も異なっています。近代的な外観にはなりましたが、旧性能の直流事業用車であるため、規定どおり塗装はぶどう色2号となりました。この200番台はジャンパ栓の仕様が102〜と異なっている程度で、新たな番号区分を行う必要があったのかは疑問です。現実的に同じクモヤ90でも101が基本番台(ブレーキ改良型の51〜)の耐寒耐雪仕様であるのに対し、102〜は種車が違えば車体も乗せ換えられており、大きな差があるにもかかわらず、耐寒耐雪仕様であることだけを理由に続番になったものと思われます。
 クモヤ90200番台は1979年から80年にかけて車体更新を行い、旧形国電としては最後に登場したグループと言えます。国鉄の分割民営化後はJR西日本へ引き継がれましたが、末期は吹田工場内にいることが多かったようで、一般人の目に触れる機会は夏休みの一般公開時くらいしかなかったものと思われ、私自身も印象の薄い車両です。この写真も撮ったことを忘れており、引っ越しの荷物を整理していて偶然に見つけたのでした。
 車体更新グループの中では廃車になったのは早く、63形の車体のままであったクモヤ91とおなじ99.3.31付。そうなると、結果論ながら、新製車体へ乗せ換えを行った意義があったのかの疑問が持たれます。たわごとになりますが、もしモハ72のままの車体で登場し、JR西日本お得意の体質改善40N工事(目標寿命からすれば40でなく50でしょうか?)によって雨といや窓が改造され、しかも茶色塗装だったらどんな新クモヤ90が登場していたのか興味が持たれるところです。
 さて、今回は2両ともパンタが下がっているのと、年始ですのでお年玉が付きます。準急比叡さんが神領電車区見学時に撮影されたクモヤ90102です。

吹田工場内にたたずむクモヤ90202+90201(京スタ) 1993.8.1(京都支社発足は93.6.1)


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