私は1993年2月から2005年12月まで大阪市内の事業所に勤務していました。今年(=2015年)は郷里の愛知県刈谷市に戻って10年になります。実はこのページは大阪在住中に作り始めていましたが、未完成のまま公開には至らずでした。
主題である阪和貨物線は既に廃止となっています。場所によっては堤防強化工事が行われ、既に面影もないと聞きます。保安用の回送列車以外の列車が走ることはたまにしかなかった同線を走る列車の記録は既に貴重なものとなっています。大阪を離れて10年となる機会に補筆修正し、公開することとしました。
この当時、もう一眼レフの高画質デジカメが普及し始めていましたが、まだ私はフイルムカメラを使っていました。前半の6コマはDVビデオカメラの静止画機能を使用して撮ったものです。
(以下、2003年当時の記述を追記、修正したものです。)
大阪市南部に阪和線の杉本町と関西線の久宝寺を結ぶ線路がありました。通称阪和貨物線と呼ばれ、阪和線が貨物営業を実施していた頃は、竜華操車場(現久宝寺駅付近にあった貨物駅)と和歌山方面をショートカットするルートとして利用されていました。
私が訪問した当時、既に貨物列車も竜華操車場も廃止されて久しく、旅客、貨物共定期の営業列車は設定されていませんでした。しかし、JR貨物が免許を得ていたほか(南海電鉄向け新車の甲種輸送の経路)、非常時の迂回ルートとして線路が維持されていました。
日頃は踏切や信号などの設備を維持するために回送電車1往復が走っていましたが、年に数回ながら、お座敷列車「きのくに」や181系気動車による修学旅行列車のほか、和歌山からトワイライエクスプレスなどの団体臨時列車も運転されました。
自宅があった大阪市住吉区内を走るにも関わらず、電車でのアクセスがたいへん不便なため、長らく訪れたことはありませんでしたが、市バスで近くまで行けることを知り、「たまにはバスもいいではないか。」と、利用してみることにしました。
大阪市バス66系統(現在、66系統はなく、54A〜となっているようです。)は自宅にほど近い住吉車庫から阪和線の我孫子、地下鉄の我孫子を経由して地下鉄長居駅を結ぶかなりマイナーなルートです。
平日は30〜40分に1本の運行ですが、病院が休みになる休日は1時間に1本しかありません。
地下鉄長居行きのバスが上住吉停留所に到着しました。運賃100円の赤バス(=既に廃止になっています。)ではなく、通常の大型バスで運行されています。
66系統は大きなターミナルを全く通らないため、いつもご覧のような利用状況です。過半数は敬老パス利用のお年寄りで、現金で乗っている人をほとんど見かけたことがありません。しかし、自動車を運転できない交通弱者の方々にはなくてはならない交通機関であることが感じ取れます。
碧電には依佐美(よさみ)信号場がありますが、大阪市内で同じ「よさみ」を発見しました。
大依羅神社(おおよさみじんじゃ)は由緒ある神社で、近くには昔、字違いの依網池(よさみいけ)があったそうです。
碧海の依佐美(現愛知県刈谷市、安城市の一部)は万葉時代に依網ヶ原という地名で登場するとのことで、なんと、同じ字が使われています。依網とは寄網(漁)が語源との説がありますが、このあたりは機会をみて調べてみたいと思います。
公園南矢田4丁目停留所付近で阪和貨物線の踏切を横断します。敷地は複線分が確保されていますが、複線化されるようなことがあるでしょうか。
ここを「トワイライトエクスプレス」が通ったと信じられますか。
矢田行基大橋で下車します。2003.1現在、全線均一200円ですが、支払いにはスルッと関西カードが利用できます。
日中、王寺で休んでいる和歌山線運用の117系を使用して、鳳まで一往復の回送電車が毎日運転されています。滅多に列車が走らないため、地元の人が線路に立ち入っていることがあり、運転士さんは神経を使うそうです。
2001年12月下旬に緊急手術、1ヶ月間の入院となり、やっとこの頃から撮影を再開することができました。