私が当線を訪れたのは2002.6の貸し切りイベントの日1日のみです。それから約10年後、残念ながら廃線になってしまいました。私鉄ローカル線の廃止はただ乗客の減少によって赤字に耐え切れなくなったというだけではなく、複数の理由が重なるようです。他サイト様からいろいろな情報を得ることができますが、ここで改めて記すことは差し控えます。
貸し切りイベントは東急からステンレスの中古車が導入されて自社発注の旧型車が引退する前にという名目がありましたが、導入されたステンレス車も10年弱で引退を余儀なくされたことになります。抵抗制御のままであった7200系は廃線から2年後、2014年大井川鐡道に引き取られて再び活躍する場を得ることができました。しかし、インバーター制御に改造されていた7700系は引き取り手がなく、解体されてしまったと言います。2018年、最後まで東急に残っていた7700系が養老鉄道に譲渡されました。機器更新を受けてまだまだ使用可能であることが評価されていることを思うと、惜しいことをしたものだと思わずにはいられません。
本稿は2002年に記したものですが、明らかに古くなっている記述以外はそのままとしています。(2020.6.6)
開催から既に19年が経過していますが、当日撮影した動画を公開しました。画像から入れます。(2021.2.7)
東北線の三沢と十和田市を結ぶ直流電化の路線です。
当社にはED301、ED402という鮮やかな塗装の電気機関車2両が在籍し、地方私鉄としては比較的遅い1986年まで貨物列車が設定されていました。幸いその後も両機は廃車されることなく、冬季の除雪など、事業用に使用されていました。
電車は1981年に元東急3000系が導入されて以来主力となり、1990年から12年間、車両の動きはありませんでした。しかし、2002.7に東急からステンレス車7200系、7700系が導入され、秋には自社発注車であるモハ3401、クハ4406を含めて旅客用電車が一新されることになりました。
なお、今回アップした電気機関車の列車は撮影を目的として貸し切り運転されたもので「旅客列車」ではありませんが、かつてED301号がモハの故障時などにクハを牽引して営業運転を行っていた実績がありますので本編で扱いました。
貸切オフ会から3ヶ月後、十和田観光電鉄の開業80周年を記念して再びイベントが行われました。現地を訪問された小林大士さんから提供いただいた写真を長らくお預かりしていましたが、今回の更新を機会にご覧いただきましょう。
当線にはなかなか訪問する機会がありませんでしたが、ネットで貸切電車のイベントを知りました。最初の実施である2002.3は開腹手術を受けて日が浅いという健康上の理由で参加を断念しましたが、忘れかけていた頃、2002.6.22に再びイベントが企画されることを知りました。今度こそはと遠路参加させていただくことにしました。主催者さんによる案内掲示板では当日三沢に停車する寝台特急「はくつる」はまだ少ないながらも空席があるとの書き込みがあり、無事に乗車できたことも今となっては貴重な思い出になりました。
2両の電気機関車との組み合わせやJR三沢駅への入線、七百車両区における撮影会などたいへん充実したすばらしい企画で、乗車、撮影を存分に楽しませていただきました。
電気機関車の運転後は七百車両区で撮影会が開かれました。今回のイベントの中心的役割を果たした自社発注車モハ3401は1955年製造という古さを感じさせないなかなかの美形です。バス窓にオリジナルの塗装はローカル私鉄らしさを醸しますが、15年くらい前にはまだまだ各地にあったこんな車両もめっきり減ってしまいました。
今回のイベントではインターネットによる最新情報の迅速な伝達という恩恵を改めて実感しました。また、自分が撮影する列車にお金を支払うという経験を初めてしました。当ページに掲載した臨時列車は実行委員会の皆さんの想像及ばぬ努力、十和田観光電鉄さんのご理解、ご厚意、60名にも及ぶ会員の賛同と会費によって初めて走ったものです。
近年では合理化、画一化が進んで個性的な車両が減り、老朽化によって保守用部品の調達も困難になってきています。さらに、少子化、道路の整備、不景気などの影響で鉄道会社の経営はいっそうの厳しさを増し、一部のファン向けのイベントを開催をする余裕がなくなりつつあります。
自己反省も込めた上で言えば、日本の鉄道ファンは撮るのはタダ、イベントは鉄道会社に「してもらう」という他力本願的な意識がまだまだ強いと言わざるを得ません。イベントに参加して、これからの時代は撮りたい人、乗りたい人が自ら企画し、乗ることはもちろん、撮ることにもお金や努力が必要であるということを理解し、この趣味の世界をより成熟させなければならない時期に来ているのではないかと感じました。(02.6.29)
相互リンクしていただいている下記2サイトには十鉄に関するお薦めページがあります。こちらもどうぞお訪ね下さい。
デトニの部屋 1978年に撮影された今はなき車両たちや貨物列車を牽くED402など特集3 わだいのくるま