■蒲原鉄道

2019.9.29 UP

1999年、新潟県に残っていた中小私鉄が相次いで廃止になりました。4月には新潟交通が、10月3日には今回掲載する蒲原鉄道が営業を終えています。2社とも部分廃止を経て、全線廃止となったものです。

●廃線まで活躍した電気機関車

 当社にED1号という電気機関車が配属されていました。貨物列車は早々に廃止されていましたが、冬季の除雪用や保線工事用として残されていました。昭和初期の製造で、ボールドウイン、ウエスチングハウスタイプのコピーを日本車両(電機品は東洋電機)で製造したものです。そのためか、名鉄デキ370形に似ています。
 訪問日は「かんてつレール祭り」というイベントが開催され、開業77周年記念列車ほか、電車との併結運転が行われました。

(注) 拡大画像はJava Script を使用しています。セキュリティーの設定次第では正常に動作しないことがあります。
開業77周年記念列車
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村松まで電車に乗車して、開けたところまで引き返しました。記念列車はED1号が先頭に立ち、電車2両を牽きました。

モハ61号の単行
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記念列車は五泉で入換を行い、再びED1を先頭にして戻ってくると聞きました。その合間に走った定期列車は単行でした。その後は2連以上になりました。

池のほとりをゆく
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記念列車を撮影した後は徒歩で五泉へ戻りながら撮影しました。唯一の中間駅、今泉までの大半は道路に沿った直線でしたが、今泉駅の近くにため池がありました。

”キハ”改造の”クハ”
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五泉を出て磐越西線と別れるカーブは残存区間唯一無二と言われるほどの撮影ポイントで、ここにファンが集中しました。

古豪の名がふさわしい
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午後もED1付の列車が走りましたが、入換は行わず、復路は後部に連結されたままでした。先頭のモハ71は腰高な車体、おわん型通風器が残り、大正末期〜昭和初期製電車らしい姿をとどめていました。

正規風サボ?付のED1
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ED1は3往復走りました。ヘッドマークは各々異なるものが取り付けられました。


●至れり尽くせりの催し

廃止が1週間後に迫っているにもかかわらず、在籍車両を総動員しての運行になりました。中でもクハ10は国鉄のキハ41000形の改造車ですが、通常は朝の通勤通学列車1往復にしか使われていなかったとのことで、日中に捕らえられる貴重な機会でした。その他、ED1を含む各車を用いて編成を組み替えたり、ヘッドマークやサボを頻繁に付け替えるなど、ファン心を満たすプロデュースがなされていました。
 ビコムさんがYoutube上で公開している動画によれば、メンバーのひとりに鉄道博物館学芸員であった岸由一郎氏がいらしたとのこと。同氏は震災による土石流という不慮の災害により若くして他界されましたが、この催しは同氏の功績の1つでもあることを記憶にとどめておきたいと思います。


モハ61+41を真横から
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モハ61+41に交替してからは撮影を終えるまで電車が変わることはありませんでした。日中も混雑しており、車体が大きい2両の収容力を重視したのでしょうか。

モハ41+61
西日を受けて

だいぶ日が西に傾いてきました。五泉付近のカーブにいた時間が長く、それ以外の好適ポイントに気づくのが遅くなりました。

モハ31はパン下げのみ
村松にたたずむモハ31とモハ71

モハ31は記念列車を含む午前中の列車に運用されていましたが、不覚にも同車側を撮り逃しました。それでも終点村松で留置されているのを撮ることができました。


●往復とも寝台列車を利用/当日撮影の動画

この撮影旅行では蒲原鉄道の前に埼玉県、群馬県を訪れています。9/24はお座敷列車「くつろぎ」の引退イベントとして、EF55の牽引による団臨が予定されていました。さらに翌9/25には「オリエントサルーン」をEF5861とEF6019(やすらぎ色)が牽く列車があり、これらの撮影を絡めました。当時私は大阪勤務。普通に考えれば往路は東海道経由ですが、未乗車だった特急「北陸」に乗りたくて、金沢まで「サンダーバード」、ここから「北陸」のソロを利用しました。
蒲原鉄道の動画はこちらから 帰りは新潟から急行「きたぐに」に乗り、いったん帰宅後に着替えてそのまま出社する計画でした。
 遠征の機会にしばしば寝台列車に乗り、それが楽しみだったものですが、「北陸」、「きたぐに」だけにとどまらず、「サンライズ」以外みんななくなってしまいました。
 最後になりますが、当日撮影した動画をアップしました。レトロな車両たちの最後の活躍をご覧ください。(写真をクリック)


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