2周年記念企画:出世した車両たち


■第2回 国鉄157系(02.11.12UP)

僅か17年弱で生涯を閉じた薄命の名車157系

1959年、世界的な観光地である日光に恥じない車両をとのコンセプトで、準急「日光号」の電車化用に新製された車両です。冷房こそないものの、特急並の車内設備を備え、デラックス準急と呼ばれていました。デビュー当時改訂されたばかりの車両称号規定に従った形式名からも(準)急行用でした。
 しかし、ハイグレードな車両が準急に甘んじていることはなく、新幹線開業前の東海道線で指定席の取得が困難だった特急「こだま」を補佐する臨時特急「ひびき」にも使用されるようになりました。後に冷房化、特急色への変更が行われ、定期列車化された「ひびき」の他、事故による代走ながら「こだま」にも使用されました。(デビュー当時、赤の部分は朱色であった。)
 最後は特急「あまぎ」、「白根」に使われていましたが、下降式窓が災いしてか、車体の腐食が著しく、皇室用の2ユニットを残して1976年2月限りで引退することになりました。一時、伊豆箱根鉄道が購入を希望していたものの、あまりの状態の悪さに断念したとの話を聞いたことがあります。その結果、大半の車両は僅か17年弱の生涯を閉じました。同期の名鉄5500系が40年以上使われていることを考えると、惜しんで余りあるものを感じます。
 中学1年のとき、当時の撮影仲間や弟と両親に付き添ってもらい、東京駅や上野駅へ撮影に行きました。当時大のお気に入りだった157系で残すことができたただ1枚の写真です。

クモハ157-6(南チタ) 6021Mあまぎ1号の回送
1975.8.1 東京にて



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